教育

2016年06月08日(水)

この記事を書いた人: Yosh Yosh

江戸時代の佐藤一斎に学ぶ、情報時代の「読書の意義」!

こんにちは。sugitaです。最近、江戸時代の儒学者・佐藤一斎が気になるので、それに関連した話題をお届けします。

大学生の半分は、読書時間ゼロ!?

大学生は読書をするもの、そんなカルチャーは昔のことになったようです。さる2月24日、全国大学生活協同組合連合会(東京)が30大学の9741人に聞いた調査結果を発表しました。それによると、大学生の1日の平均読書時間は28.8分。読書にあてる時間を「ゼロ」と答えた学生の割合は45.2%に上り、2004年以降で最も高くなりました。活字離れが叫ばれて久しいですが、たしかに大学生は読書をしなくなってきているようです。


出典:大学生45%が読書時間「ゼロ」と回答、過去最高に 大学生協連の調査

しかし、読書をしないのはもったいないという意見もあります。年収3000万円の人は月約10冊の本を読んでいるそうです。本は時間をかけて長く売れるように作るので、インターネットよりも情報の質が良いです。時代を超えて愛される本や小説からは、私たちの人生に欠かせない人類の「智慧」を学ぶこともできます。

明治維新の英雄たちを育てた佐藤一斎から学ぶ、読書の意義

ここで、佐藤一斎をおすすめしたいと思います。

佐藤一斎は儒学の大成者であり、現在の東京大学に相当する昌平坂学問所にて数多くの人材を教育しました。弟子は、吉田松陰の先生にあたる佐久間象山や、坂本龍馬の先生にあたる横井湘南、福沢諭吉と並べられる中村正直らが有名です。あの西郷さんも佐藤一斎の本を読んで勉強していました。一説によれば門下3000人とも6000人とも言われます。明治維新の立役者たちを育てた偉大な教育者です。

西郷さんの愛読書でもあった『言志四録』では、佐藤一斎は「志」の大切さを力説しています。

「憤の一字は、是(こ)れ進学の機関なり。」
「人は須(すべか)らく自ら省察すべし。『天は何のゆえに我が身を生み出し、我をして果たして何の用に供せしむる。我既に天物なれば、必ず天役あり。天役共せずんば、天の咎必ず至らん』と。」

本当に大切なことは、「志」。自分は何のために生きているのか、死んだときに悔いはないか、それを自問して発憤すればこそ、勉強する意欲がわいてくる。『言志四録』からは、そんな佐藤一斎の熱いメッセージが伝わってくるようです。

インターネットは便利ですが、そこにある情報の多くは泡沫のあぶくばかり。雨が上がって太陽が昇ればすぐに乾いて無くなってしまうような、はかないものが多いと思います。だからこそ、ネットの情報をうまく活用しつつ、本当に大切なことを忘れないために読書をする。そういうライフスタイルを送りたいものだなと思います。

佐藤一斎の『言志四録』に興味がわかれた方は、現代語訳が出ているのでぜひ読んでみてください。

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