生活
2016年11月27日(日)
AIでどうなる!? 10年後の仕事①
みなさんこんにちは。sugitaです。
最近はAIやIoTという言葉がはやるようになりました。いろんな仕事をコンピュータにとって代わられていく、そんなことを主張する人もいます。
これから10年後、20年後、私たちの仕事がどうなっていくのでしょうか?今回は2回の連載形式で考えていこうと思います。
そもそもAIとは?
そもそもAIとは何でしょうか?『勝者のIoT戦略』という本の著者である小林純一氏は、AIは人間の「考える」という機能を機械を使って補うものだと述べています。
たとえば、Amazonでおすすめ商品を提案しているのはAIですし、過去の検索結果に基づいてインターネット広告の内容を変えているのもAIです。Googleマップで渋滞情報を表示しているのもAIです。このように、AIは私たちの生活にすでに浸透し始めています。
最近では、AIに自動車や電車を運転させる試みも始まっています。
2020年に開催される東京オリンピックでも、AIが運転する自動タクシーを導入するかどうかが検討されているようですね。
(詳細はこちら:日本政府が2020年の東京五輪で目指す自動運転サービスとは!?)
AIは、インターネットに散らばっている情報や、データベースに保存してある大量のデータから、一瞬で計算して答えを導きだします。
しかも、最近のAIは自分で学習して賢くなっていくようです。これは「ディープラーニング」という仕組みをつかっています。まず、AIが出す答えが正しいか正しくないかを、人間があらかじめ用意しておきます。そして、AIには、正しい結果を出したデータを重んじ、そうでないデータを遠ざけるようにさせます。すると、AIがだんだん正解を出せるようになっていきます。
これまでのコンピュータは、人間が決めたルールにしたがってしか答えを出せませんでした。しかし、ディープラーニングという技術をつかえば、AIは自分で情報を集め、多くの例から類推することで、自分で正解を探してくれるわけです。
言い換えれば、人間がわざわざデータを入力しなくてもよくなる、ということです。エクセルで表をつくるにも、いちいちデータを入力するのは大変ですよね。それをAIがやってくれるとしたら?―――何もエクセルに限った話ではありませんが、そういう便利さを与えてくれるということです。将来、人型ロボットが家庭や職場で働くようになれば、過去の経験を蓄積して、その場にあった対応をしてくれるようになるかもしれませんね。
また、最近話題のIoTというのは、AIに「食べさせる」データをインターネットを使って集めようとする発想です。たとえば、わが愛知が誇る企業のトヨタでは、自動車の生産過程の多くをロボットが担っています。そのような工場で働くロボットにセンサーを付けてデータを蓄積し、AIに「いつもの状態」を把握させます。すると、故障する前に異常を感知し、早い段階で対処できるようになります。
このように、IoTとは、橋や道路、トンネル、工場のような定期的な整備が必要なものを、人が直接見なくても管理できるようにする仕組みです。導入には初期費用がけっこうかかるようですが、それに見合う分野では導入が進むとみられています。
AIの限界とは?
しかし、AIには限界もあります。それは、結局のところ、正解を決めるのは人間だということです。
たとえば、AIに学習させる「ディープラーニング」にしても、最初に、人間が正しい答えを決める必要があります。
自動運転も、今後、安全性が高まっていくとはいえ、最終的な安全は人間が確保しなければなりません。
月刊「ザ・リバティ」という雑誌に、ある電車運転士のエピソードが載っていました。運転士になってすぐのころ、踏切のセンサーが故障し、トラックが立ち入っているのに反応しませんでした。目視でブレーキをかけたおかげで事なきを得ましたが、訓練で言われた『私たちが最後の砦だ』という言葉が、本当に身に染みたといいます。安全運転という価値を知っているのは、AIではなくて人間です。人間が安全に責任を持たなければ、最終的な安全は得られないのではないでしょうか。
また、場合によっては、近未来でAIが暴走するのではないか、という懸念もあります。たとえば、ロボットがハッキングを受けて外部からコントロールされ、人間に危害を加えるといった可能性です。AIは、それを使う人間次第では凶器にもなりえます。
結局、AIは便利な道具に過ぎず、それを使う人間の良識にかかっているのかもしれません。
しかし、その便利なAIは、私たちの生活に徐々に浸透し始めています。それによって、機械のする仕事と人間のする仕事の境目が曖昧になり、職が失われる心配はないのでしょうか?次回はその問題について考えたいと思います。